SNMPでネットワーク機器を監視する
SNMP(Simple Network Management Protocol)とはネットワーク機器を監視するためのプロトコルです。SNMPでは、監視対象の機器からtrapと呼ばれる通知を監視端末で受け取り、状態の変化を把握します。
今回は管理ソフトとしてTWSNMP Managerを使います。
TWSNMPマネージャ :::Twise Labo, Inc.
まずは、監視対象であるルータ(C892FJ)の設定をします。監視端末として192.168.1.10を指定します。
snmp-server community snmpserver RO snmp-server enable traps snmp-server host 192.168.1.10 version 2c snmpmanager
SNMP version 2cではコミュニティという文字列を使って認証を行います。今回はsnmpmanagerという文字列を指定しています。cisco製品では、snmp-server enable trapsとすることで、対応しているtrapのすべてを指定することができます。
セキュリティ上の理由から、監視用のインターフェイスは通常の通信と分離することが望ましいため、設定で発信インターフェイスを指定することができます。下記の設定コマンドではLoopback0を発信インターフェイスに指定しています。
snmp-server trap-source Loopback0 snmp-server source-interface informs Loopback0
設定が完了したら、TWSNMPから対象ノード(通信機器)を登録します。メニューの「管理ツール(T)」→「自動発見(D)」からダイアログを開きます。 自動発見ダイアログでは、設定したルータがあるネットワークを探索し自動的にノードを追加します。先ほど設定した内容を入力し探索を実行します。 発見したノードのSNMPが有効でありコミュニティ名が一致している場合は、自動的にインターフェイスが追加されます。
ノードからのtrapを受け取るには、空白部分を右クリックし「MAPプロパティ」を選択します。 Trapポートが「受信しない」になっているので、「162」に変更することでノードからの通知を受け取れるようになります。 通知されたtrapはダブルクリックで詳細を確認することができます。 今回はTRAP種別がcoldStartとあり、ノードが起動したことがわかります。このような、どの製品でも使用する一般的なものについてはあらかじめ決まっています。しかし、ベンダー独自のtrapを定義している場合には、以下のようになります。 trap情報を解釈するためのMIB(Management Information Base)が必要となります。Cisco製品を使用している場合、表示されたOIDから検索することができます。
SNMP Object Navigator http://snmp.cloudapps.cisco.com/Support/SNMP/do/BrowseOID.do
検索結果から、BGPに関するtrapであることがわかります。Specific Object InformationのMIBからMIBのダウンロードができます。ダウンロードしたMIBファイルはメニューの「SNMP管理(M)」→「MIBツール(D)」から読み込むことができます。